笑ってもらえると思って書いた話に泣かれそうになった話

 

専門学生時代のとある授業で、

 

自分の死生観について

 

というテーマで宿題に出されました。

 

(※死生観はざっくりいうと

死と生に対する見方、考え方をいうようです。)

 

そのテーマを授業中に発表することになったのですが、

 

クラスメイトにあとから

 

「あなたの話を聞いて泣きそうになっちゃったよ」

 

と言われたことが印象深かったので

 

当時の記憶を思い出しながら

 

書き起こしていきます。

 

 

*レポート内容

 

 

 

 

私が初めて人の死を経験したのは、

 

おおおじいちゃんのお葬式でした。

(いわゆる、ひいおじいちゃんのことですがうちではそう呼んでいました)

 

私はおおおじいちゃんが嫌いでした。

 

なぜなら、おおおじいちゃんに会いに行くと必ず親に、

 

「きらきら星のお歌」を歌わされるからです。

 

頻繁に会ったりはしていなかったと思いますが、

 

「おおおじいちゃんに会うとお歌を歌わなきゃいけない」

 

という悪いイメージが付いていました。

 

これが子供心にすごく嫌で、

 

「はい!せーの!」と親に命令されて、

 

歌いたくもない歌を歌うのが苦痛でした。

 

ある日、朝からとてもおめかしをされ、

 

母は真顔で、余裕がないような、

 

少し急いでいるようでした。

 

「どこに行くの?」

 

と聞くと

 

「おおおじいちゃんのところ」

 

と母が言うので

 

「えぇ〜、、おおおじいちゃん嫌だぁ、、」

 

と私が嫌がると

 

「おおおじいちゃん、死んじゃったの」

 

と言われました。

 

会場では、黒い服の大人がたくさんいました。

 

数珠がとても珍しく、気に入って触ったりしていました。

 

母の真似をして御焼香もしました。

 

おおおじいちゃんだと思われる冷たくて白い顔を触りました。

 

生前の顔もうろ覚えだったので、

 

痩せこけて目を閉じている目の前のご遺体が

 

おおおじいちゃんだという認識があまりありませんでした。

 

「おおおじいちゃんだよ。」と言われてやっと

 

ああ、そうなんだ。

 

という感じでした。

 

お花を置いて、棺桶を完全に締めたあと

 

衝撃的なことが起こりました。

 

母が顔をしわくちゃにして泣き出したのです。

 

今まで泣いたところを一度も見たことがなかった母が、

 

老婆のように顔を歪ませ声をあげて泣くなんて思いもしなかったので、

 

おかしくて思わず笑いました。

 

妹を笑わせようと「ママ変な顔してるよ」

 

と茶化しても、母に笑いかけても

 

誰も笑い返してはくれませんでした。

 

 

 

 

 

*笑い話だと思ったのに

 

 

中途半端ですが、このあとなんやかんやまとめてたと思います。(忘れました)

 

私的お笑いポイントは

 

・きらきら星のおうたを歌わされる

・母の顔が猿のよう

 

といったものでした。

 

今思うとまったく面白くはないのですが

 

発表することになったときは

 

とても自信を持って発表しました。

 

そしたらなぜか、誰も笑いませんでした。

 

それどころか、先生は感慨深いような顔をして

 

クラスメイトには泣きそうになったと言われ

 

私は疑問に思いながらも、ある意味発表できてよかったな。

 

と当時は思っていました。

 

 

 

 

*今思うこと

 

 

今この文章を書いていて、

 

5〜6歳の頃経験したことなのに、

 

20歳になってもそのときのまま変わっていなかったのか。

 

と驚きました。

 

物の見方、感じ方が5歳児のままで止まってしまっているのだな。

 

と考えるとショックですが

 

そう感じられるようになったということは

 

少しは成長している。

 

ということにします。笑

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。